よしこばブログ

13年間の国税局勤務を経て転身した、フリーライター小林の日常

「外では国税職員だと言ってはいけない」とアドバイスされた過去を想う

こんばんは、よしこばです。

すっかりブログを書くのも習慣になってきました。
我ながら、よくやってるなあ、と思っています。

これまでも、何度かブログには挑戦したことはあります。
でも、あまり続かなかったんですよね。
2004年のブログブームの時期は、割と続いていたのですが、
mixiやFacebookが出てきて、
書いていることと、現実の自分が紐づくようになってくると、
どんどん書けなくなっていったんですよね。

それは、文章で書き表わそうとする自分と、
現実に生活している自分の間にある差異を、
うまくまとめることができなかったからだと思っています。
なんだか照れくさかったし、後ろめたかった。

とくに、僕は東京国税局に勤める公務員でしたから、
そうした職場の立場と、表現している文章が結びつくことを、
恐れてもいました。

おそらく、国税に限らず、官公庁や大きめの組織であれば似た状況かもしれませんが、
職場では、「24時間公務員である」ということを、口すっぱく言われていました。
つまり、勤務時間外であれ、何か問題を起こせば、
個人ではなく、組織の問題として扱われてしまう。

それは、実際にそうなんだと思います。
僕自身も、公務員の不祥事が報道されると、
なんとなく、「いやだな」と感じていました。

印象に残っているのは、
職場に入ってわりとすぐの頃に、
先輩から「床屋にいったときに、国税職員だと言わない」
というアドバイスを受けたことです。

髪を切りに行くと、雑談になりますよね。
そこで、「お仕事は?」と聞かれたら、
「会社の経理」だとか、「営業」だと名乗るようにというアドバイスでした。
やっぱり税務署ですから、嫌がられる可能性がありますからね。
先輩のアドバイスは、世間で穏便に生活するための、生活の知恵みたいなものです。
だけど僕はそのことが、なんとなく引っかかっていました。

当時は僕も新人でしたから。
やっている仕事に、意義を感じていましたし、
国税職員だということは、誇らしく思っていました。
だけど、名乗ってはいけない。
そこに違和感を感じていました。

そうした文化は、いろいろなところに表れています。
飲み会のときは、基本的には個室で予約しますし、
SNSを積極的に使っている人は、ほとんどいないと思います。
サラリーマンであれば、組織の文化を無視できません。
できるだけ、自分のことはオープンにしないという意識が染み込みます。

でも、フリーランスになった今、
もっと自分をオープンにしていいんだ、
ということに、大きな喜びを感じています。
僕が公務員として過ごした13年間に、
社会はずいぶんとオープンになっていました。

僕はライターです。
そのことを、なんの引っ掛かりもなく名乗れます。
元国税職員だという自分の過去も含め、こうしてブログやツイッターなどで表現でき、
そこから新しい関係がどんどん生まれています。
これは、すこし前の自分からすると、奇跡みたい。

最後に、一冊の本を紹介します。
僕がフリーランスになる、
もしかしたら一番大きな力となった本です。
それがこちら。
岡本太郎さんの「自分の中に毒を持て」

自分の中に毒を持て―あなたは“常識人間

自分の中に毒を持て―あなたは“常識人間"を捨てられるか (青春文庫)

たぶん、買ってから10年近く経ちますが、
折に触れて読み返していました。
自分の力で戦っていく、
フリーランスやアーティストの方にとっては、
勇気をもらえる本だと思います。

誰だって、つい周囲の状況に甘えて生きていくほうが楽だから、
きびしさを避けて楽なほうの生き方をしようとする。
ほんとうの人生を歩むかどうかの境目はこのときなのだ。
安易な生き方をしたいときは、そんな自分を敵だと思って闘うんだ。
たとえ、結果が思うようにいかなくたっていい。
結果が悪くても、自分は筋をつらぬいたんだと思えば、これほど爽やかなことはない。
人生というのはそういうきびしさをもって生きるからこそ面白いんだ。