よしこばブログ

13年間の国税局勤務を経て転身した、フリーライター小林の日常

祝ノーベル文学賞!カズオイシグロ氏の「日の名残り」はデートの話題にぴったり

こんにちは、よしこばです。

ここ数日書こうと思っていた話題が、こちら。
カズオイシグロ氏 ノーベル文学賞 受賞!

ファンなんです。昔から。
作品を全部読んでいるわけではないんですけどね。
でもそれは理由がありまして、「楽しみを後に取っておきたい」からなんです。

カズオイシグロのせいで思い出した、あの夜のこと

もう、ずいぶん遠い昔のことに感じますが、気になる女性をお誘いし2人で飲みに行ったことがありました。

きっかけは僕から聞いた「おやすみの日はどう過ごすか」みたいな、ありふれた質問。
よくある会話の取っ掛かりです。

「たいてい、ゴロゴロして本を読んだりしています」
「いいですね。どんな本が好きなんです?」
「あの…イギリスの、執事が出てきて…なんだろう?タイトルど忘れしちゃいました」
「…日の名残り?カズオイシグロの」
「そう、それ!」

こういうのって嬉しいですよね。同じものを好きだと分かった瞬間。
一気に心の距離が近くなった気がしました。

日の名残り (ハヤカワepi文庫)

日の名残り (ハヤカワepi文庫)

  • 作者: カズオ・イシグロ,土屋政雄
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2012/08/01
  • メディア: Kindle版
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ちょっとここで「日の名残り」の説明を。
(BOOKデータベースから引用)

品格ある執事の道を追求し続けてきたスティーブンスは、短い旅に出た。美しい田園風景の道すがら様々な思い出がよぎる。長年仕えたダーリントン卿への敬慕、執事の鑑だった亡父、女中頭への淡い想い、二つの大戦の間に邸内で催された重要な外交会議の数々―過ぎ去りし思い出は、輝きを増して胸のなかで生き続ける。失われつつある伝統的な英国を描いて世界中で大きな感動を呼んだ英国最高の文学賞、ブッカー賞受賞作。

物語自体は、スティーブンスという執事が休暇中に田園をドライブするという、ただそれだけなんです。でも、ドライブしながら、昔のことを回想するんですよね。

この回想が、自分の過去を思い出しているにもかかわらず、どこか嘘くさいというか、本心を隠しているんです。とくに、女中頭に対して恋愛感情を持っているのは明らかなのに、スティーブンスはそれを頑なに認めないんです。それが読んでいてイライラする(笑)。

ただ、イライラしながらも、どこかスティーブンスには共感するんですよね。
人間って、本音だけでは生きられないじゃないですか。
「何かを大切にするには、何かを諦めなければならない」僕はそう思いがちなタイプです。

日の名残りのおかげで大いに盛り上がる

さて、そんな感じで、女性との飲みはカズオイシグロ氏のおかげで、楽しくなっていきました。
話はだんだんと深くなり、「ままならない現実」をどう生きるか、という話題に。

僕は「ままならない現実はあるけれど、少なくとも自分の気持ちに正直でありたい」という感じのことを話しました。スティーブンスは自分の気持ちにある種ウソをついて生きてきたと感じてのことです。

それに対し彼女は、「ままならない現実なんて、あるんですか?」という答えだったんです。
その答えを聞いて、僕は混乱しました。

というのも、実はこの会話の直前に、僕はその彼女にフラれていたんですよ(笑)

「ままならない現実」とは、まさに彼女のことであって、だけど気持ちに正直でありたいということを言ったんですけど、それに対して、「ままならない現実なんてない」って言われたわけですから。

その日に仲良くなってから、その後も彼女とは友達付き合いが続きましたが、やがて連絡を取ることもなくなりました。結局は、ままならぬ現実は、変わらなかったんですけど、それでもあの日のことは、心に残っています。

あんな会話ができたのも、そして今になって鮮やかに思い出したのも、文学の力だな、と思います。

物語が売れない時代ですけど、僕はその価値はなくならないんじゃないかなと思います。
そこに潜んでいるのは、ぼくたちにとって大切な感情そのものだから。

【おまけ】日の名残りファンに超おススメな海外ドラマはこちら

最後に日の名残り的な世界観を楽しみたい方におススメなのが、「ダウントンアビー」です。
海外ドラマでシーズン6まであるんですけど、最高に面白いです。
しかも、アマゾンプライム会員であれば、プライムビデオで無料で全シーズン見れます!
この話はまた別の記事にしたいと思います。

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