よしこばブログ

13年間の国税局勤務を経て転身した、フリーライター小林の日常

ヴァーツラフ・ノイマン指揮「スメタナ」


どうも胃の調子が悪い。腹は減れども食べると吐きたくなる。
あと二日で休みだ。休みも二日だが。
気がつけば二月だ。早いものだな。去年の今頃月僕はチェコにいた。
特に目的もなく、ただ人ごみも自然も苦手な僕には最適だった気がする。
大学卒業間際、就職も決まり、このまま色々と人生が確定していく中での抵抗だった。
ホテルの予約もせず、航空券だけ持ってチェコへ。
そこは、楽園だった。しかしパラダイスとは程遠い。
プラハチェコ最大の都市であるが、静かだった。
町中に漂う陰鬱さ。スメタナの「モルダウ」そのままの世界。
カレル橋のザビエル像に、寂れたピッツェリアに、聖ヴァーツラフ大聖堂の裏に、
かつては近代化の象徴であったろう高層ビルの倒壊しているさまに、
黄金小道のカフカの生家の小ささに・・僕は壊れそうになった。
帰りたくない、しかし一刻も早く帰らねばという矛盾。
あの旅が今の僕にどう影響したかは知らない。
再び行くことはないのかもしれない。
ただ、雪の降りしきる空港のに向かう飛行機の中で、
乾きすぎているまずい機内食のパンとチーズを食べながら味わった、
強烈な既視感をもう一度味わいたいのだ。