よしこばブログ

13年間の国税局勤務を経て転身した、フリーライター小林の日常

3:15


~ああ、どこへ向かっているんだろう。
もう君には会えないのかな~
湯川潮音の「逆上がりの国」をきいている。
昼前。天気は思ったより悪くない。
昨日、デートをした。
上野公園からアメ横、そして浅草へ。
何だか観光じみた、いつもと違うコース。
相手は、友達なのだ。恋人ではなく。想い人でもなく。
「夕食は実家で食べるの」というその女の子は、
気楽なのだ。友達でいられる。淋しいときに会ったりする。
上野公園には、桜を見に行く目的だったのだが、あまり咲いていなかった。
少しだけピンク色になっているくらい。
花見客が多くて少し嫌になっちまって
西郷隆盛像の前のベンチでまったりと。
少し暖かくて、ぼーっとしながらお喋り。
話題は家族のことになり、当然僕のことも聞かれた。
お父さんは何してるの?どういう人なの?
どうも、母子家庭だと言うタイミングを逃し、
一通り、記憶を頼りに話した後、父親いないんだといった。
ちょっと神妙な顔になった彼女を見て、まあそうするしかないよねえと思いながら。
一通り、事実だけをさらさらと言ってやった。
「深刻な話なのに、あなたの話聞いてるとそうでもなさそうだね。」
「見てるとそんな感じじゃないのにね。」
と言われた。頑張ってこの話し方を身につけたんでい。
笑い飛ばすしか、ないよ。笑えそうな部分だけ引っこ抜いて。
家族が不足しているからいつも神妙にしてなきゃとか、いや。
差別は、否応にもあるさ。
不足した家庭の子は、ぐれるとか。
コミュニケーション不全だとか。
言われることもあるさ。僕が母子家庭と知る前は、平気で言うからな。
そんなかっこ悪いパターンにはまってたまるか。ヤンキーにはなりませんよ。
誰とでも仲良くやっていくさ。
まあ父親不在の息子が抱える欠落を、僕は最近強く意識するけど。
でも、メリットもあるしね。

上野のアメ横へ移動し、その後浅草へ行った。
歩きながら人形焼を食べた。
本当においしかったな、焼きたて。
おみくじを、新年にひいてなかったのでひいた。
大吉だ。内容は、全てかなうとのこと。ありがとう神様。
女の子は、末吉だった。全てうまくいかないとのこと。・・何だかね。
その子は新年に大吉をひいたらしい。
やはり何でもうまくいくと書いてあったらしく、
それが逆に信用ならずに、吉狙いでひいたのだが。
無いものねだりよなあ、いいことあると悪いことに繋がると考える癖をやめたい。

浅草を一通り回って、池袋で別れた。
別れた後に少しだけ疲れている自分に気付く。
うまく、話せないのだ。
外から見るとうまく話しているように見えるだろう。
事実、お互いに良く笑っていた。
でも言う前に止まってしまう言葉が多くて、
代わりにささげる無難な話題。
僕が心のうちをさらせる人は、実はとても少ない。
でも、恋をした相手には全てをさらしてしまう。
知ってもらいたいと思う。
これだけ話すのだからあなたも話してよ、という意識もある。
だから、片思いの相手が一番話せる親友じみたものになることもある。
これは、よろしくない。
やはり恋の始まりは、取りつくろわなばいけないのだと思う。
逆上がりの国
湯川潮音
メロディー・スター・レコーズ

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