よしこばブログ

13年間の国税局勤務を経て転身した、フリーライター小林の日常

砂の果実

食物連鎖
中谷美紀
フォーライフミュージックエンタテインメント

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懐かしいという気持ちを味わうとき
それはとても胸詰まるような甘美
なんでもないようなことを
ふとしたきっかけで思い出す

ただそれは
追いかけてみても無駄
甘美さは求めた途端に失われ
思い出すのは事実ばかりで
感情に彩られたリアルさを失っている

追いかけないとき
何の脈絡もなく思い出される過去について
僕はそれをずっと胸に留めていたいけれど
それはいつだってうまくいかない

昔好きだったCDをかけてみてもダメで
そのくせ突然思い出すフレーズにとても
頭が熱くなったり

コタツでするゲームや
高校に通うバスの中できいた音楽や
スーパーのレジの可愛い女の子や
夜中に友達と通ったコンビニや

そんなとりとめもない
過去のごく細かな部分が胸を突く

1分/365日ほどの奇跡的な瞬間を
それを僕は愛する
僕は一日一日確実に死に近づいている
それを感じることは怖いことだ

だって過去は堆積していくどころか
ずいぶんと遠くなっちまった
忘れちゃうんだぜ
こうやって笑ってることも
悲しんでることも
誰と一緒だったか、
誰を好きで誰に好かれていたか

僕は今日洗濯をしたけれど
それを思い出すことはないだろう
洗濯にかけた5分程度の時間は
永遠に
失われたのだ

人生は点か、線か
僕には点線ほどの不確定なものだ
頼りない

もっと明朗に生きなければならない
あらゆる壁をぶち破るような
そんな迫力や痛みが
僕に失われた現実感を
取り戻させてくれるのではないか
僕は動かなければならない
穏やかに停滞した
現実から
一刻も早く
動かなければならないことを
感じる

安定した就職、そして結婚を経て
僕はまだ終わりじゃないと感じている
予想可能の未来はいらない
大事に大事にしているものが
実際失われると大して痛くもないってことを
僕は思っている

本当に大切なのが今の恋人だと思ってから
僕はそれなりに幸せだと感じていた生活について
懐疑的になった
恋人がいれば幸せだという思いは僕をずいぶん軽くした

http://www.youtube.com/watch?v=3Eg80YChM2M&search=%E4%B8%AD%E8%B0%B7%E7%BE%8E%E7%B4%80