よしこばブログ

13年間の国税局勤務を経て転身した、フリーライター小林の日常

スランプ

僕が物語を作り始めたのはいつからだったろう
それはきっとずいぶん小さい子供の頃だったはず
あの頃僕は、お風呂場で毎日物語を作っていた

ステンレス製の団地の備え付けの風呂は
結露によってスクリーンとなったのだ
そして水分はたまって滴り、不安定な線をいくつも作り出す
そこにはいつも森が現れたのだ
そして時折その森には馬がいたり鳥がいたり
あるいは僕の指によって作られた不思議な生き物だったり

そんなに長くお風呂にいるわけじゃなく
身体が温まるまでのほんのわずかな時間
そんな時間を今でも覚えているだなんてね

僕は少しずつ小説を書くようになっている
それはきっと外に出たがっている「何か」が僕の中にあったからなんだけれど
だけど難しい
たとえばパソコンに向かって文章を紡ごうとすると
途端に僕の思考は自由を失ってしまう
「物語」をあるべき方向に向かわせようとするあまり
とても無味乾燥な文章になってしまったりする

それはきっと僕にまだそなわっていない
文章を作るうえでの「持久力」が足りていないからなのだろう
僕はそれでも心のなかにある「とっておき」を疑わない
それは失われずにいつまでもあるのだから
放出されないままに悲しく残っているのだから

それでも時々、あまりに自分の小説が陳腐だと感じるときには
ここで書いてきたブログを読み返している
そして僕は僕の「希少」を見つけるのだ

誰にも書けないものを書ける
そう信じているのだ
まだ