よしこばブログ

13年間の国税局勤務を経て転身した、フリーライター小林の日常

僕は僕を埋葬する夢を見た

むっくりと起き上がる僕を見ていた。
僕は僕を見ながら、ゆっくりと自分の身体へと降り立っていった。
柔らかな気持ちであったが、気が付けばそこは野外で、
西洋の田舎道のようだった
緑色の間に、土でできた道があった

後ろから沢山の人々が向かってくる
誰もが寂しそうな、あるいは悲しそうな顔をしている
老人が多かったような気もするし
疲れた若者もいたような気もする

そのうち僕の耳に聖歌が聞こえてきた
どんな聖歌だったかなんて分からない
だけどそれは確かに聖歌だった

少しずつ、少しずつ、声が大きくなる
繰り返し、繰り返し、大勢による聖歌が反響する

前を向けば、やはり大勢の人々が走っていて
その向かう先には人だかりができていた
誰もがある一点を見つめていた
誰もが振り返ることもなく、
隣の人と話すこともなく、
見つめていたのだ
そこに

僕もたどりついた
背伸びをして人々の頭上から眺めたその瞬間に、
目の前に人々がその一点に次々と呑まれてていった

そして僕も呑み込まれた
何の痛みもなかった
ただ、僕の目の前には美しい女性がいて
その香りを、僕はどこかで嗅いだことがあるような気がしていた

地上に呑みこまれた僕らの上に
重たい土がかけられた
大量に、温かい土が

瞬間、僕は視点を変えた
埋められる自分ではなく
埋められゆく穴を僕は見ていたのだ

無感情だった
相変わらず聖歌が流れている
目の前には大きな教会がある
他には何も無い

天気のいい日だった
静かな日だった