よしこばブログ

13年間の国税局勤務を経て転身した、フリーライター小林の日常

日々は泡

日々の泡 (新潮文庫)
ボリス ヴィアン,Boris Vian,曽根 元吉
新潮社

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今日が何の祝日なのか知らないけれど、ひさしぶりの3連休です。
東京は天気がよく、心地の良い寒さだ。
僕は猫舌なので、さっき作ったコーヒーを、冷まさなければならない。
そうして空いた時間に文章を書いています。

たとえばコーヒーが冷めるまでの時間を、僕は子供の頃もっていなかった。
ゆっくりとした朝など思い出せない。
平日は学校の始まるギリギリまで眠っていたし、
休日は、寝ているところを、横で掃除機をかける母親に無理矢理おこされる。

子供の頃は時間は無限だったなんていうけれど、
僕はオトナになってから時間を持て余している。
そんな僕には、コーヒーが冷めるまでの時間も、
パスタが茹で上がるまでの時間も、
ディケンズの物語を読み終えるまでの時間も、
それぞれに意味があるのだ、ね。

時間は、最近ではまるで無感覚に通り過ぎてしまう。
日々は落ち着いている。
平成16年のように、時間が過ぎ去ることがこわくて、
夜中に新大久保の駅のまわりを歩いてみたり、
渋谷のHMVのクラシックコーナーで長時間試聴してみたり
(クラシックコーナーの試聴機にだけはなぜかソファがついている)
誰かをデートに誘ってみたり、した。

思えば僕のまわりにはたくさんの、僕に似た感覚を持った人々がいて、
束の間。手を差し伸べあったりしたものだ。
そして、どちらからともなく、いなくなった。

僕は一人で、しかも部屋にいながらにしても、
時間と対峙することができるようになった。

・・まだコーヒーは熱い。