よしこばブログ

13年間の国税局勤務を経て転身した、フリーライター小林の日常

ラプソディ・イン・ブルー

ウディ・アレン DVD-BOX

ポニーキャニオン

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今週は、仕事が忙しく何となく心にささくれができていた。
気が付けば昨日、一週間の終わりに僕は近所の洋食屋さんにいた。
「頑張った自分にご褒美を」ってのは誰が言い出したんだろう。
そうやって自己をあるストーリーに当てはめて慰めることを、
僕はあまり潔しとはしなかった。

だけど昨日は、気が付けば一番高いメニューを注文し、
最後にワインを頼んだ。
一人で外を眺めながら僕は酔っていった。
ああなんて、僕は疲れてるのだろう。

家に帰り、こたつで雑誌を開きながら眠っていた。

翌日。つまり今日の朝。僕は思いがけない宅配を受けた。
ウディ・アレンのDVDボックスだ。
注文したことも忘れてしまっていた。
お金のために働き、働くことの苦しさを紛らわせるために、
僕は衝動買いをしてしまう。
矛盾であり、自然だ。

そしてその衝動はおおむね、現実を忘れさせるか、
あるいは前向きな気持ちにさせてくれるものに向かうのは
極めて自然だろう。

僕は届いた6枚組ボックスから一つのDVDを取り出した。
それがウディアレン監督の「マンハッタン」だ。
ウディアレンを注文した時点で、
僕は諧謔を求めていた。
時代を笑おう。自身を笑おう。

ジョージ・ガーシュウインによるラプソディインブルーで始まる
白黒のニューヨークは、僕を思いがけず元気にした。
都会は今、僕を心寒くさせているが、
画面のニューヨークは、どこまでもかっこよかった。

そう。僕がかつて憧れていた東京も、ある一つの空想だった。
だが、その理想郷を、僕はいつしか忘れてしまっていた。
そこには人間がいたはずだ。
人間がいて、恋をしたり裏切ったり、逃げ出したりする。

自分をひとつのストーリーに当てはめてみることを、
僕はそろそろ受け入れなくてはならないのかもしれない。
そしてこう言うのだ。

「いいことはいつ来るかな?」
「いつかね。」